ALCの特徴

ALCという外壁材はActoclaved Lightweight aerated Concreteという正式名称の頭文字をとって省略可された呼び方です。圧力処理済軽量気泡コンクリートという意味であるこの外壁材は、コンクリートで有りながらも、その名の通り気泡を含んでいる為軽量であることが特徴です。ALCを外壁材として使用しやすくするために板状にしたものを「ALCパネル」と呼び、日本では1960年代ごろから製造されるようになりました。現在では一般住宅をはじめ集合住宅や高層マンションなど幅広いシーンで採用されています。ALCは珪石・セメント・生石灰・アルミ粉末などを主原料として製造されており、これらを工場内で人工的に結晶化することでALCができるのです。この結晶化する際に気泡をたくさん含んで製造するために軽量化が実現しています。

ALCは製造過程でたくさんの気泡を含んでいることから、ALCを外壁材に使用した場合、壁の中に空気層ができることから音を遮ってくれる役割を果たします。そのため他の外壁材と比べ遮音性に優れていると言えるでしょう。これは外からの音にも、建物の中からの音にも遮音性が優れている為、建物周辺の環境が騒がしい立地の際にもとてもおすすめできる外壁材です。また同様に空気層ができるという点から断熱性にも優れています。夏の暑い日は室内を適切な温度で保ってくれ、冬の寒さからは室内の暖かさを逃すことがありません。さらにALCは他の外壁材と比べて比較的軽量の為、地震が起きてしまった際にも被害の影響を受ける事が少ない優れた一面も持ち合わせます。

ALCのデメリットとしては、その価格の高さでしょうか。メリットで述べたような優れた機能性がある分、他の外壁材と比べると価格自体が高価なお品となります。またメンテナンスの際でも他の外壁材よりも高額になってしまうためデメリットといえるでしょう。価格重視で外壁材を検討する際には最大の懸念点になるのではないでしょうか。またALCは防水性が低い点もデメリットといえます。水分がしみ込みやすい素材で作られている為ALCを使用する際はしっかりと防水機能のついた塗料で外壁塗装をする必要があります。またその性能が落ちてしまう前にメンテナンスを欠かさずに行う必要があるため、10年に1回のメンテナンスが必要であると認識しておきましょう。この特徴から雪国の地域ではALCを使用する際に特に注意が必要です。雨や雪の水分が頻繁に入り込むことでALC自体が凍結を起こす可能性が高くなってしまいます。凍結してしまった場合はそのまま外壁材ごとひび割れしてしまう凍害が起きる場合があります。